世界の教育③(アメリカ)
アメリカの授業は少人数制の積極的な参加が求められるスタイルで、成績評価においても授業中の発言がテストの結果と同様に重視されます。
また、アメリカでは公立校・私立校に加えてホームスクーリングも合法なため、家庭の事情や方針によってホームスクーリングで学ぶ子どもも多く存在します。
さらに、年齢よりもその子どもに合った学力が重視されるため、小学校であっても留年があり、先生が子どもの学習レベルが一定に達していないと判断した場合はその学年を再度繰り返さなければなりません。留年だけでなく飛び級制度もあるため、学年終了時の通知表には「適正な学年」が明記されていることも特徴の一つです。
【教育制度】
高等教育を受ける前にまずプライマリースクールとセカンダリースクールで合計12年間学びます。州によって、6-3-3制・6-6制・8-4制などの違いが見られます。
(※日本の高校までが義務教育のイメージです)
一般的に「エレメンタリースクール」と呼ばれるプライマリースクールには6歳前後で入学し、5〜6年間勉強した後、セカンダリースクールへ進学します。セカンダリースクールは、日本の中学校にあたる「ミドルスクール」あるいは「ジュニアハイスクール」と、高校にあたる「ハイスクール」の2つのプログラムから成り立っています。学生はハイスクールを卒業すると、卒業証書、または認定証書を授与され、「ハイヤーエデュケーション(高等教育)」として知られるカレッジや大学に進学します。
アメリカには約4,000の大学が存在し、私立・州立(公立)・リベラルアーツカレッジ・コミュニティカレッジ(公立の2年制大学)に分類されます。
《私立大学》
ハーバード大学などのアイビーリーグの大学からニューヨーク大学などの学業、スポーツ、課外活動のすべてにおいて優秀な学生が集まる大学です。
※アイビーリーグ(Ivy League)とは?
アメリカ北東部にある私立8大学で構成されています。私立8大学はハーバード大学、コロンビア大学、コーネル大学、イエール大学、ブラウン大学、ダートマス大学、プリンストン大学、ペンシルバニア大学です。
《州立大学》
その州の州民に対して広く高等教育の機会を与えることが第一義的な目的で主に税金で運営され、その州に納税する州民の入学が優先されます。そのため、州民の学費は留学生の1/3で、州民と州外、留学生との学費が異なります。UCLAやUCバークレーなどの難関州立総合大学からワシントン大学やウィスコンシン大学マジソン校などの名門州立総合大学、中堅州立総合大学、カリフォルニア州立大学やニューヨーク州立大学などの地域型州立大学です。
アメリカにおいて人文科学・自然科学・社会科学の分野にわたる学術の基礎的な教育研究を行う4年制大学です。学士号プログラムが主です。また、学生数約1,500人の小規模大学で、学生の人数を制限することで、質の高い学士課程教育を行っています。
州立の2年制大学で地域(コミュニティ)の住民のための教育に力を入れ、地域の住民ならだれでも入学でき、税金で運営されているので留学生より学費は安いです。また、地域の住民が通学する大学であるため、学生寮がある大学は少ないです。
【習い事事情】
全体として、スポーツの習い事が人気です。日本の部活動とちがい、アメリカの体育会部活動は実績がある子が入るものです。そのため、幼少期からスポーツに取り組む子ども達が多くなっていると考えられます。(大学進学にもスポーツは大切な要素となりますので)
《男子》
野球・サッカー・アメフト・バスケットボール・アイスホッケーなどのチームスポーツが特に人気です。一つのスポーツを一年を通して行うわけではなく、季節によって違うスポーツをする子ども達が多くなっています。
春・夏は野球、秋はアメフト、冬はバスケットボールという具合です。
《女子》
バレエ・ダンス・体操・フィギュアスケートなどが人気です。
チームスポーツとしては、サッカーの人気が高く、習い事としてサッカーをしている女の子がたくさんいます。また、護身用に格闘技(空手やテコンドー)を習っている子も多いです。
アメリカの教育に関しては、情報量が多いため少し長めの記事になってしまいました。
日本の教育とは様々な点で違いがあることをご理解頂けたと思います。
アジア諸国やオーストラリアと違い、日本と大きな時差があるので、自立した学生生活を送るという覚悟を持って留学する必要があります。
イデアスポット(idea spot)
竹山 隼矢