世界の教育⑤(ドイツ)
ドイツは16の州からなる連邦国家であり、各州には様々な自治の権利が与えられています。教育は州の権限で行なわれており、連邦政府は提言はできるものの、教育についての決定権はもっていません。
そのため、詳しく見てみるとドイツ国内でも州ごとに教育制度に微妙な差があります。英語などの外国語学習が始まる時期なども州によって異なるわけです。
【教育制度】
ドイツの義務教育は日本と同じく6~7才からの9年間。
各年度は秋(通常は9月)に始まります。また、小学校の入学時を1年生、高校卒業時の12年生まで、何年生と呼ぶことが多いこともドイツ教育の特徴です。
日本の小学校に相当する「基礎学校」と呼ばれる初等学校へ6歳で進学し、10歳まで4年間の教育を受けます。その後上部学校の5年制へ編入するという形で学業を継続します。上部学校へ編入する際に『職業教育(専門性のあることを学ぶ)』か『高等教育準備(幅広い教科を学ぶ)』のどちらか、進路を選択することになります。
※それらの選択を日本でいう小学校5・6年生の時期にする必要があるため、早期に自身の将来についてより具体的に考え、選択する必要があります。
ドイツの大学は国立大学・私立大学・教会立大学の3種類があり、その数の内訳は国立238校、私立125校、教会立38校となります。
世界大学ランキングトップ100には8大学が選出されていますが、ドイツという国自体にはランキングや偏差値が存在しないため、国内の基準とはなっていないようです。
《補足》
国内名門の9つの工科大学(Technische Universität)が2006年に設立した連合体として「TU9」があります。
アーヘン工科大学・ベルリン工科大学・ブラウンシュヴァイク工科大学・ダルムシュタット工科大学・ドレスデン工科大学・ライプニッツ·ハノーファー大学・カールスルーエ工科大学・ミュンヘン工科大学・シュトゥットガルト大学で構成されています。
ドイツ内外の産業や研究施設、世界中の名高い高等教育機関と提携していて、ドイツのエンジニアの半数が、このTU9のいずれかの大学の卒業生というデータもあるほど存在感を示すようになっています。
【習い事事情】
日本ほど子ども達が習い事をするという文化はありません。
子どもが小さいうちは公園など屋外で遊んでほしい(ドイツの人達のレジャーといえば、自転車で公園に行き、のんびりと読書をするなど)という考えがあることも一因ですが、それ以外に経済状況なども関係しています。
※州によって経済状況に差があるため、習い事事情も異なります。
真面目な国民性を持っているということで、日本人と感覚が近しいと言われていますが、"習い事事情"という観点から見ると正反対なのかもしれません。
イデアスポット(idea spot)
代表 竹山隼矢