2019年度関西中学入試分析④
分析④では、分析①をさらに深め、関関同立系附属校に関して記述していきます。
まずは前提となる基礎知識を確認しましょう。附属校の整理は以下をご参照下さい。
関西学院系(4校):関西学院千里国際・帝塚山学院・啓明学院・関西学院
同志社系 (4校):同志社香里・同志社国際・同志社女子・同志社
立命館系 (6校):初芝立命館・平安女学院・育英西・立命館守山・立命館宇治・立命館
関関同立合計受験者数では、2014年度入試以降継続して増加しています。
"附属校が人気!"と言われる理由は、5年前と比較して20%以上増えている受験生数です。
前年との比較では正しく全体像を把握できませんので、それぞれの附属校ごとに2014年度-2019年度の数値(受験者数)比較していきましょう。
全体水準である"20%増"よりも顕著な増加を示している数値を赤字にします。
※2014年度→2019年度
【関西学院系(4校)】
関西学院千里国際 95→91
帝塚山学院 736→1093
啓明学院 333→456
関西学院 284→320
【関西大学系(3校)】
関西大学 86→244(参考数値)
※初等部からの初の内部進学年度のため、募集人数半減・後期入試廃止のため、2014年度の数値が低い。2016年度に後期入試を再開し、受験者数が増加している。
関西大学北陽 698→773
関西大学第一 349→446
【同志社系 (4校)】
同志社香里 883→1175
同志社国際 54→236
同志社女子 747→861
同志社 364→412
【立命館系 (6校)】
初芝立命館 204→338
平安女学院 129→156
育英西 113→215
立命館守山 337→466
立命館宇治 381→415
立命館 715→722
堅調な直系の中学校ではなく、その他の系列校の人気が昨今の附属校人気を数値的に支えていることが分かります。
『同志社女子・立命館宇治が難化した』という分析が多く見られると思います。
昨年と比較すると確かにそうかもしれません。
※2018年度→2019年度
同志社女子 710→861(21%増)
立命館宇治 364→415(14%増)
数値以上に楽観視する必要も、警戒する必要もないと思います。
様々な雑誌の標語に踊らされないようにしましょう。
※同志社女子の受験者数は2016年度にも839名と800名を超えていますが、その後2年連続で700名台(723名・710名)に戻っています。
数値を正しく理解し、お子様の未来を預ける志望校を探していきましょう。
学校は入試問題に「こういう生徒に通ってほしい」という願いを込めてきます。
その問題との相性こそが、学校との相性。
偏差値だけではなく、正しい情報と、学校との相性を掛け合わせて学校選びをすることが中学受験では必要です。
イデアスポット京都校
代表 竹山隼矢