2020年 プログラミング教育必修化元年

2020年、society 5.0が始動し、小学校でプログラミング教育が必修化となります。
小学校の学習指導要領の総則の改訂の経緯の冒頭では次のように書かれています。

「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが,成人して社会で活躍する頃には,我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により,社会構造や雇用環境は大きく,また急速に変化しており,予測が困難な時代となっている。また,急激な少子高齢化が進む中で成熟社会を迎えた我が国にあっては,一人一人が持続可能な社会の担い手として,その多様性を原動力とし,質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していくことが期待される。こうした変化の一つとして,人工知能(AI)の飛躍的な進化を挙げることができる。人工知能が自ら知識を概念的に理解し,思考し始めているとも言われ,雇用の在り方や学校において獲得する知識の意味にも大きな変化をもたらすので はないかとの予測も示されている。このことは同時に,人工知能がどれだけ進化し思考できるようになったとしても,その思考の目的を与えたり,目的のよさ・正しさ・美しさを判断したりできるのは人間の最も大きな強みであるということの再認識につながっている。このような時代にあって,学校教育には,子供たちが様々な変化に積極的に向き合い,他者と協働して課題を解決していくことや,様々な情報を見極め知識の概念的な理解を実現し情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと,複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすることが求められている。」

 

なぜ、プログラミングを小学生のうちから学習するのか、今知っておくべきことは何なのか。多くの議論が行われていますが、今回は海外のプログラミング教育現場に目を向けてみたいと思います。

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プログラミング教育の先進諸国といえば、イギリス、エストニア、ハンガリー、ロシアなどが挙げられます。特にイギリスのプログラミング教育は5歳から始まります。全員がBBC micro:bitを持つことでも知られています。また、このキットは全ての教科の学習でも使われています。国際学力調査で毎回上位に入っているシンガポールでもBBC micro:bitを使うということで5・6年生に配られました。

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今、私はインドネシアのジャカルタ近郊の街にいます。協定校に訪問し、1年生から7年生までの子どもたちに、プログラミングの授業と競技会をするためです。


その学校では、全員がMacbookを入学の時から持ち、色々な授業で使っています。これまで重要としていた記憶中心の学習は終わり、創造し表現する学習こそが重要であると提唱されています。環境問題にも熱心に取り組んでおり、日本の現状と比較して「これでいいのか?」と疑問を持たざるを得ません。

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イギリス、エストニア、ハンガリー、ロシアなどの国だけが特別であるわけではないということが、上記のインドネシアの例から理解できると思います。ロボット大会を見ても、アフリカや南米からも多くの子どもたちが大会に出場してきています。
未来を見据えたプログラミング教育(コーディング)が現場レベルで施されている国が多数あるという世界の現状を知っておきましょう。
※日本のプログラミング教育:プログラミング的思考の獲得を目的とする

  海外のプログラミング教育:コーディングの習得を目的とする

 

日本は本当に「これでいいのか?」
そこから前進するための『プログラミング教育必修化』です。
Society5.0の世界では、どのような事が重要となり、どのような社会になるのか正直想像がつかないところもありますが、注意深く動向を見ながら舵取りしていく必要があると考えます。


また、プログラミング教育に深く関わってくる英語教育も新たなステージに入ります。海外では、2ヶ国語の習得の時代はすでに終わり、3から4カ国語を学んでいます。今後生産人口が決定的に少なくなる日本は、これまでのコミュニティを続けていくわけにはいきません。未来の社会で生きていく、未来の社会を作っていく子どもたちをどのように育てていくか、これは私たち大人の大きな使命であると考えます。

 

イデアスポット(idea spot)

顧問 川原田康文

idea-spot.co.jp