台湾で英語公用語化

先日、台湾政府が中国語に加えて英語を公用語とする政策を来年度からスタートさせることを発表しました。台湾では2001年に小学校5年生からの英語教科化が始まっており、2005年にはそれが小学校3年生からに早められました。こうした学校英語教育の変化に合わせて放課後の英語塾や英会話スクールも賑わいを見せており、台湾での英語教育熱の高まりは日本でも英語教育関係者の間で注目を集めています。

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私自身も以前、「最近の台湾では小さいころから週に何時間も英語塾に通っている子がたくさんいる」という話を台湾の留学生から聞いていたこともあり、台湾がどんな変化を遂げているのか興味を持っていたところではありました。

 

ただ、今回の英語公用語化の背景には、「国際競争力」とか「グローバル人材」といった「おカネの話」だけでなく、英語教育改革をより推し進めようというような側面もあるようです。

つまり、必ずしも台湾での英語使用実態の変化が公用語化を要請しているわけではないのです。日本と比べると約20年も早く小学校の英語教科化を進めた台湾ですが、もしかすると低学年からの英語教科化が思ったほどの成果を上げていないという実情があるのかもしれません。

 

であるならば、英語公用語化の前にやるべきことは一連の教育改革の効果の検証であり、おそらくそのような議論がこれから出てくることになるでしょう。それは日本にとって多くの示唆を与えてくれるものになるはずです。また、もし英語が本当に公用語となった場合どのような変化が起こるのか。それについても、注視していく必要がありそうです。

 

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英語科主任 山﨑謙介