2020年度 関西中学入試②(倍率速報)
今週末に関西中学入試の解禁日(1/18)を控え、2020年度の倍率が確定してきました。
倍率の確定した難関進学校・大学附属校を中心にまとめていきます。
2020年度受験生・保護者の皆様、参考になさって下さい。
倍率の定義は以下をご確認下さい。
(現時点で確認できる数字は出願者数・募集定員のみとなりますので、合格者数/受験者数の実質倍率ではありません。)
2019年度倍率→2020年度倍率 (赤:難化 青:易化 黄:変化なし)
※倍率の定義:出願者数 / 募集定員
※0.1倍程度の差異は「変化なし」と位置付けます
【大阪】
《関西大学第一》1.9倍→2.0倍
《高槻》
A 男子 3.4倍→3.5倍 女子 3.9倍→3.8倍
B 男子 12.0倍→13.3倍 女子 11.6倍→11.6倍
《同志社香里》
前期 男子 2.9倍→2.7倍 女子 2.6倍→2.4倍
後期 男子 20.6倍→20.4倍 女子 18.0倍→17.9倍
【兵庫】
《甲陽学院》2.1倍→2.1倍
《灘》4.1倍→4.3倍
《六甲学院》
A 1.9倍→2.3倍
B 13.3倍→14.9倍
《神戸女学院》1.9倍→1.8倍
《関西学院》
A 男子 2.1倍→3.1倍 女子 3.0倍→4.5倍
B 男子 11.7倍 女子 15.5倍 ※2020年度新規募集
《啓明学院》
A 男子 1.8倍→1.7倍 女子 2.7倍→1.9倍
B 男子 8.4倍→9.8倍 女子 10.5倍→10.5倍
【京都】
《洛星》前期 2.6倍→2.6倍
《同志社》2.0倍→2.1倍
《洛南高等学校附属》3.3倍→3.1倍
《立命館》
AD 8.8倍→11.5倍
総合 3.8倍→5.6倍
《立命館宇治》2.9倍→3.2倍
【奈良】
《東大寺学園》5.3倍→5.4倍
《帝塚山》6.8倍→6.6倍
《西大和学園》男子 5.8倍→6.0倍 女子 5.8倍→5.5倍
【滋賀】
《立命館守山》3.6倍→3.9倍
最難関校の合格ラインは、倍率が高くなっても低くなっても変化しないでしょう。
しかし、大学附属校の合格ラインは少なからず変化します。
第一志望校として大学附属校を受験校とする場合、この数値は重要です。
特に立命館大学系列の附属校は軒並み倍率が上がっています。
気を引き締めて受験に臨みましょう。
イデアスポット(idea spot)
代表 竹山隼矢
2020年 プログラミング教育必修化元年
2020年、society 5.0が始動し、小学校でプログラミング教育が必修化となります。
小学校の学習指導要領の総則の改訂の経緯の冒頭では次のように書かれています。
「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが,成人して社会で活躍する頃には,我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により,社会構造や雇用環境は大きく,また急速に変化しており,予測が困難な時代となっている。また,急激な少子高齢化が進む中で成熟社会を迎えた我が国にあっては,一人一人が持続可能な社会の担い手として,その多様性を原動力とし,質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していくことが期待される。こうした変化の一つとして,人工知能(AI)の飛躍的な進化を挙げることができる。人工知能が自ら知識を概念的に理解し,思考し始めているとも言われ,雇用の在り方や学校において獲得する知識の意味にも大きな変化をもたらすので はないかとの予測も示されている。このことは同時に,人工知能がどれだけ進化し思考できるようになったとしても,その思考の目的を与えたり,目的のよさ・正しさ・美しさを判断したりできるのは人間の最も大きな強みであるということの再認識につながっている。このような時代にあって,学校教育には,子供たちが様々な変化に積極的に向き合い,他者と協働して課題を解決していくことや,様々な情報を見極め知識の概念的な理解を実現し情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと,複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすることが求められている。」
なぜ、プログラミングを小学生のうちから学習するのか、今知っておくべきことは何なのか。多くの議論が行われていますが、今回は海外のプログラミング教育現場に目を向けてみたいと思います。
プログラミング教育の先進諸国といえば、イギリス、エストニア、ハンガリー、ロシアなどが挙げられます。特にイギリスのプログラミング教育は5歳から始まります。全員がBBC micro:bitを持つことでも知られています。また、このキットは全ての教科の学習でも使われています。国際学力調査で毎回上位に入っているシンガポールでもBBC micro:bitを使うということで5・6年生に配られました。
今、私はインドネシアのジャカルタ近郊の街にいます。協定校に訪問し、1年生から7年生までの子どもたちに、プログラミングの授業と競技会をするためです。
その学校では、全員がMacbookを入学の時から持ち、色々な授業で使っています。これまで重要としていた記憶中心の学習は終わり、創造し表現する学習こそが重要であると提唱されています。環境問題にも熱心に取り組んでおり、日本の現状と比較して「これでいいのか?」と疑問を持たざるを得ません。
イギリス、エストニア、ハンガリー、ロシアなどの国だけが特別であるわけではないということが、上記のインドネシアの例から理解できると思います。ロボット大会を見ても、アフリカや南米からも多くの子どもたちが大会に出場してきています。
未来を見据えたプログラミング教育(コーディング)が現場レベルで施されている国が多数あるという世界の現状を知っておきましょう。
※日本のプログラミング教育:プログラミング的思考の獲得を目的とする
海外のプログラミング教育:コーディングの習得を目的とする
日本は本当に「これでいいのか?」
そこから前進するための『プログラミング教育必修化』です。
Society5.0の世界では、どのような事が重要となり、どのような社会になるのか正直想像がつかないところもありますが、注意深く動向を見ながら舵取りしていく必要があると考えます。
また、プログラミング教育に深く関わってくる英語教育も新たなステージに入ります。海外では、2ヶ国語の習得の時代はすでに終わり、3から4カ国語を学んでいます。今後生産人口が決定的に少なくなる日本は、これまでのコミュニティを続けていくわけにはいきません。未来の社会で生きていく、未来の社会を作っていく子どもたちをどのように育てていくか、これは私たち大人の大きな使命であると考えます。
イデアスポット(idea spot)
顧問 川原田康文
2020年度 関西中学入試①(県外入試 )
《2020年度入試》
海陽中学校:1/6受験 1/8合格発表
函館ラサール中学校:1/8受験 1/10合格発表
関西中学入試において、難関受験生がチャレンジする県外入試といえば、海陽中学校・函館ラサール中学校ではないでしょうか。
問題も難関校受験生に合わせて作成されているので、難易度も高めです。
特に今年の函館ラサール中の算数は問題量が多く、灘中を受験する子ども達にとっても時間的に厳しいものでした。
特にこの時期は合格・不合格に一喜一憂しがちです。
県外入試については、結果よりも解き直しを重視しましょう。
「模範解答がないから」と解き直しから逃げないようにしましょうね。
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代表 竹山隼矢
世界の教育⑦(イギリス)
イギリスの4カ国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)ごとに教育制度が少し異なるため、まとめての説明がとても難しい部分があります。
今回の記事では、イングランドを中心として話を進めることをご了承下さい。
【教育制度】
義務教育は、5歳から18歳までです。
※2015年から義務教育が「16歳まで」から「18歳まで」に延長されました。
以下、年齢・段階ごとに分かりやすくまとめました。
① 義務教育前
・就学前教育(3歳から4歳)
・レセプション(4歳から5歳)
② 義務教育
・初等教育6年間(5歳から11歳)
・中等教育4年間(11歳から16歳)
→統一試験GCSE(General Certificate of Secondary Education)の受験
・大学課程準備2年間(17歳から18歳)
→統一試験GCE-Aレベル の受験
③ 義務教育後
・大学進学(3年間)
《GCSE(General Certificate of Secondary Education)とは》
統一試験GCSEとは、イングランドとウェールズ、北アイルランドで義務教育(5歳~16歳)を修了するときに受験する試験です。
成績評価はA*~Uのグレードで評価され、大学進学希望者は、一般的に8~10科目を受験します。
90%> A*
80%> A
70%> B
60%> C
50%> D
40%> E
30%> F
20%> G
<20% U
《GCE-Aレベルとは》
統一試験GCE-Aレベルとは、GCSE受験後にシックスフォーム(上記の大学課程準備にあたる)と呼ばれる課程で、2年間の高等教育を受けます。
選択科目をGCSEよりも少ない3~5科目に絞り、専門的に勉強します。
試験結果はA~Eのグレードで評価され、この評価がいわゆる大学入学の切符となります。
■大学事情
オックスフォード大学やケンブリッジ大学など、アメリカのハーバード大学などと並び、世界大学ランキングでもトップに位置する名門大学が多く、イギリスの教育水準が高いことは間違いありません。
《補足》
世界屈指の有名大学であるオックスフォード大学を例に、日本人が入学を希望する場合、学費がどれくらいかかるのかを理解しておきましょう。
2020年度在住学生は、年間£9250(2019年12月27日現在 1£=142円、日本円で131万3500円)
しかし、海外の学生が入学する場合は、選択の学部によって年間£25740(日本円 365万5080円)から£36065(512万1230円)となります。
※日本人をはじめとしたEU加盟国以外の外国人がイギリスの大学に入学する場合は、かなり高い学費を払う必要があります。
【習い事事情】
学習塾の文化はイギリスには存在しません。(公文はイギリスでも展開されています。)
その代わりに学校に学習補助をしてくれるチューターがおり、学校内で完結するスタイルを国として取っています。
サッカー・水泳・ダンス・クリケット・テニスなどのスポーツ系の習い事が盛んです。
学校の校庭が大きくないということが理由の一つとなっており、「スポーツは学校外で行う」という雰囲気です。
日本の子ども達は幼少期から多くの習い事や勉強をしますが、イギリスの子ども達も負けていません。
留学後も、教育に関する温度で違和感を感じることはほとんどないでしょう。
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代表 竹山隼矢
世界の教育⑥(フランス)
フランスでは2019年秋から、義務教育の年齢が6歳から3歳に引き下げられました。
【教育制度】
教育制度の変更に関して、最もホットな国と言っても過言ではないでしょう。
上記の背景としては、以下の2点。
①格差の是正
②移民・貧困層に対するフランス語教育の強化
すでに97%が、日本の保育園・幼稚園にあたる保育学校に通っていますが、残りの3%の子どもの数も約2万5千人いますので、ここをフランス政府は問題視したようです。
今回の改革によって、フランスの義務教育開始年齢は欧州で最も若くなりました。
新体制のフランスにおける義務教育は、3歳〜16歳となります。
■大学事情
フランスには偏差値や入試難易度などは建前上ありませんが、日本よりも学歴に関してシビアかもしれません。
どこの大学出身かはほとんど問われませんが、「グランゼコールを出たか」「どこのグランぜコールをでたか」は重視されます。
※フランスでは原則としてどこの大学でも自由に入れるため。
《グランゼコールとは》
広い意味では大学と同じ高等教育機関ではあるものの、難易度はかなり高い。
日本のセンター試験のような統一試験(バカロレア)取得者のうち、大学進学が80%・進学せずが15%・グランゼコール進学が5%という数値からも入学する難しさを感じて頂けるのではないでしょうか。
グランゼコールは鉱業・土木・電気・行政など職種別に存在し、その中でも別格は『ENA』です。国の高級官僚を輩出するための学校。
ENAに入学するためには、他のグランゼコールを卒業している必要があります。
【習い事事情】
日本と同じように放課後に習い事をする習慣がありますが、高校入学まで入試がないため、学習塾のような文化はありません。
《男子》
柔道が人気の一つです。実際に、オリンピックで金メダルを獲得する選手も輩出しています。
① 柔道
② サッカー
③ 水泳
《女子》
バレエやダンス、ピアノなど日本と大きく変わらないようです。
① ダンス
② ジム(体操)
③ ピアノ
フランスのグランゼコールのことを知っていると、日本で報道されているニュースも別な観点で楽しむことができますね。
多様な知識(教養)があるからこそ人生は豊かになります。
日本の教育の良さを確認するためにも、他国の教育を学ぶことには意義があります。
イデアスポット(idea spot)
代表 竹山隼矢
京都の公立中高一貫受検(2020年度)
2020年度の志願者数・倍率が12/26に公表されました。
↓↓昨年の受検が終わったあとに行った、2020年度倍率予測記事はこちら↓↓
方向性としては予想通りなのですが、予想を上回る倍率低下に驚きました。
イデアスポット近隣から通学可能な2校(西京・洛北)に関しては、過去最低倍率となっています。
【京都市立西京高等学校附属中学校】
2020年度倍率は4.13倍
【京都府立洛北高等学校附属中学校】
2020年度倍率は3.24倍
志願者数が減っただけで、合格ラインに変動はないと考えられます。
(公立中高一貫校合格には私立難関校並の基礎学力が必要)
「あわよくば…」と考えている時点で合格は難しいでしょう。
合格は狙って獲るものです。
受検生の皆さん、最後まで努力を積み上げて下さい。
※「受験生」ではなく「受検生」と表現している理由は、過去の記事をご覧ください。
イデアスポット(idea spot)
代表 竹山隼矢
世界の教育⑤(ドイツ)
ドイツは16の州からなる連邦国家であり、各州には様々な自治の権利が与えられています。教育は州の権限で行なわれており、連邦政府は提言はできるものの、教育についての決定権はもっていません。
そのため、詳しく見てみるとドイツ国内でも州ごとに教育制度に微妙な差があります。英語などの外国語学習が始まる時期なども州によって異なるわけです。
【教育制度】
ドイツの義務教育は日本と同じく6~7才からの9年間。
各年度は秋(通常は9月)に始まります。また、小学校の入学時を1年生、高校卒業時の12年生まで、何年生と呼ぶことが多いこともドイツ教育の特徴です。
日本の小学校に相当する「基礎学校」と呼ばれる初等学校へ6歳で進学し、10歳まで4年間の教育を受けます。その後上部学校の5年制へ編入するという形で学業を継続します。上部学校へ編入する際に『職業教育(専門性のあることを学ぶ)』か『高等教育準備(幅広い教科を学ぶ)』のどちらか、進路を選択することになります。
※それらの選択を日本でいう小学校5・6年生の時期にする必要があるため、早期に自身の将来についてより具体的に考え、選択する必要があります。
ドイツの大学は国立大学・私立大学・教会立大学の3種類があり、その数の内訳は国立238校、私立125校、教会立38校となります。
世界大学ランキングトップ100には8大学が選出されていますが、ドイツという国自体にはランキングや偏差値が存在しないため、国内の基準とはなっていないようです。
《補足》
国内名門の9つの工科大学(Technische Universität)が2006年に設立した連合体として「TU9」があります。
アーヘン工科大学・ベルリン工科大学・ブラウンシュヴァイク工科大学・ダルムシュタット工科大学・ドレスデン工科大学・ライプニッツ·ハノーファー大学・カールスルーエ工科大学・ミュンヘン工科大学・シュトゥットガルト大学で構成されています。
ドイツ内外の産業や研究施設、世界中の名高い高等教育機関と提携していて、ドイツのエンジニアの半数が、このTU9のいずれかの大学の卒業生というデータもあるほど存在感を示すようになっています。
【習い事事情】
日本ほど子ども達が習い事をするという文化はありません。
子どもが小さいうちは公園など屋外で遊んでほしい(ドイツの人達のレジャーといえば、自転車で公園に行き、のんびりと読書をするなど)という考えがあることも一因ですが、それ以外に経済状況なども関係しています。
※州によって経済状況に差があるため、習い事事情も異なります。
真面目な国民性を持っているということで、日本人と感覚が近しいと言われていますが、"習い事事情"という観点から見ると正反対なのかもしれません。
イデアスポット(idea spot)
代表 竹山隼矢