関西中学入試における『英語』③
『私立中、受験科目に(英語を)採用増加』
このような見出しの記事や情報が増えていることから、中学受験を検討されているご家庭の保護者の皆様は、「英語をやらないといけないのかしら?」と新たな不安の種をお持ちかと思います。
英語入試はあくまでも "一つの合格方法である" と割り切って、気楽に読んで頂けますと幸いです。
首都圏だけではなく、関西でも英語選択入試が広まっていることは、数値を含め過去に記述しました。
今回は、数年前から英語入試を実施している首都圏私立中学の受験データを参考にしながら、今後の関西中学入試における英語の立ち位置を探っていこうと思います。
※全ての学校を紹介することはできませんので、ほんの一部を抜粋します。(帰国入試は省く)
【3年以上英語入試を実施している学校の実倍率推移】2016年度→2018年度
開智日本橋学園 2/1男子 1.68倍→2.83倍
開智日本橋学園 2/1女子 1.54倍→2.22倍
十文字 2/2チャレンジ型 1.20倍→2.17倍
広尾学園 2/2インター男子 4.00倍→6.80倍
広尾学園 2/2インター女子 3.75倍→9.00倍
山脇学園 2/1英語A 1.26倍→1.71倍
上記はほんの一部ですが、顕著に倍率が上がっていることが分かります。
【2018年度から実施スタート】2018年度
跡見学園 2/4英語コミュ 1.00倍
共立女子 2/3PM 2.04倍
データから推測すると、ここから倍率が上がっていくことが予想されます。
しかし、それぞれの学校の英語の問題に差があることも事実。
関東も関西もそのあたりは同様です。
学校が英語という教科をどう捉えているかが問題に反映されます。
・海外で生活をするための英語
・大学受験のための英語
資格試験で表すと、英検・TOEIC・TOEFL、どのタイプに近いのかで分類すると分かりやすいかもしれません。
さて、2018年度注目の高槻中学校の英語入試はどのような問題だったのでしょうか?
西大和学園の英語入試は?
入試問題に学校の考えやカラーは反映されます。
我が子を預ける選択肢に入っているのであれば、チェックしてみましょう。
イデアスポット京都校
代表 竹山隼矢
『Pepper 社会貢献プログラム2(第2弾)』について
イデアスポットが教材開発協力をした、『Pepper社会貢献プログラム2(第2弾)』
《ソフトバンク公式HPより》
ロボット・プログラミング教育の良さは、センサー(入力)のはたらきとモーター(出力)の動きの関係をプログラムで制御する(論理的な思考)が実践できることです。子どもたちにとってはディスプレイの中の仮想的なものより、実体のある機械や装置が動きしゃべるといったことの方が結果が分かりやすく、楽しんで学習に取り組むことができます。
新学習指導要領で重要とされている「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」は、将来子どもたちに必要な資質・能力の育成に深く関係しています。ロボット・プログラミング教育では、これらを総合的に学習することができ、そして「考える癖」を育みます。 Pepper 社会貢献プログラムで提供する教師用指導書は、単なるプログラミングの理解や表現だけでなく、社会との関連や将来への活用など、グループ活動や討論の中に発信も加え、学習効果をさらに高められるよう工夫しています。
※既存のプログラミング教育・教材とは明らかに違います。
① ロボットがヒューマノイド型である点
車タイプのプログラミング教材がほとんどである中、唯一のヒューマノイド型ロボットを使用してのプログラミング教育。
思考の範囲が"生活"分野まで広がるため、子ども達の幅広い着想をすくい上げることが可能です。
今後、ロボットと共存する未来を想像してみて下さい。
車タイプのロボットももちろんあるでしょうが、皆さんの頭に最初に浮かんだのはヒューマノイド型ロボットではないでしょうか?
② 公教育・私教育(私立校,学習塾)・教育委員会・大学・一般企業が協力して作成している点
様々な視点から、今回の社会貢献プログラムは構築されていきました。
それぞれの利益追求ではなく、純粋に"これからの未来を生きる子ども達のため"に作られています。
『Pepper社会貢献プログラム2(第2弾)』は2018年4月から追加で実施され、今後3年間で9.1万人の子ども達がPepperを使ってプログラミングを学んでいく見込みです。
公教育と私教育の壁は溶けていくと同時に、役割分担が進むと私は考えています。
イデアスポット京都校
代表 竹山隼矢
2018年度関西中学入試分析③
今回は進学校に関して、2018年度関西中学入試を分析します。
『2018年度関西中学入試分析②』と同様、志願者数に注目してみましょう。
難関進学校の人気が高まっています。
志願者数(初日) 2017年度→2018年度
【大阪府】
大阪星光学院:683名→763名
四天王寺:519名→634名
清風南海:男子 533名→571名 女子 389名→394名
【兵庫県】
甲陽学院:382名→423名
灘:683名→735名
啓明学院:男子 93名→102名 女子 113名→124名
【京都府】
東山:363名→388名
洛南:女子 251名→263名
【奈良県】
東大寺学園:947名→965名
【和歌山県】
開智:193名→265名
初日だけを抽出すると、以上のような見え方になります。
おやおや?京都の洛星や洛南(男子)は志願者数が数値としては増えていませんね。
しかし、この最難関校2校はちゃんと難化しているのです。
分析をする際の観点は「志願者数」だけではありません。
詳しい情報や数値の見方に関しては、塾生限定の報告会でお伝えします。
イデアスポットでは、関西だけではなく関東の進路指導も可能です。
※報告会では関東の中学受験情報も扱います。
イデアスポット京都校
代表 竹山隼矢
2018年度関西中学入試分析②
センター試験廃止などの大学入試改革を敬遠する心理が働き、大学附属校全ての人気が継続的に上昇していた2017年度入試までの数年間。
今年は少し様子が違いました。
2018年度関西中学入試における、京都の有名私立大学附属中学校の志願者数を比較してみましょう。
※数字を公平に見るために、志願者数で比較します。(2017年度→2018年度)
《1日目比較》
【同志社大学附属】
同志社(1/13):男子 252名→275名 女子 219名→219名
同志社香里(1/13):男子 225名→260名 女子 182名→208名
同志社国際(1/16):260名→269名
【立命館大学附属】
立命館(1/13):225名→193名
立命館宇治(1/13):171名→161名
立命館守山(1/13):165名→130名
受験日程を複数設定しているところもありますので、そちらにも目を向けてみましょう。
《2日目比較》
【同志社大学附属】
同志社香里(1/15):男子 411名→488名 女子 329名→403名
【立命館大学附属】
立命館(1/14):561名→506名
立命館宇治(1/15):248名→219名
立命館守山(1/16):106名→99名
同じ京都市内にある有名私立大学2校の附属校ですが、2018年度入試では明暗が分かれました。
横の繋がりが強い京都で、初日だけではなく2日目入試でも差が出たということは、何かしらの理由があるということです。
全ての情報を集約し終えた段階で、イデアスポットでは『2018年度中学入試報告会』を実施致します。※塾生家庭のみ参加可能
本年も詳細な数値データをご準備致しますので、ご期待下さい。
イデアスポット京都校
代表 竹山隼矢
入試問題から見える学校の指導レベル(2018年度関西中学入試)
一見似ているように見えたとしても、最難関校の問題とそれ以外の問題では大きなレベル差があります。
それが指導者のレベル差でもありますから、"どこに魅力的な大人(指導者)"がいるのかを、子ども達の中高6年間のためにあらゆる視点から探る努力を怠ってはいけないのです。
《甲陽学院中学校》
Q,1日目大問3
太郎,次郎,三郎は,直線道路で結ばれたA市とB市の間をそれぞれ一定の速さで往復します.
太郎と三郎はA市を,次郎はB市を同じ時刻に出発し,出発してから15分後に太郎と次郎ははじめて出会いました.そして,次郎がA市に着いたとき,太郎と三郎ははじめて出会いました.さらに,太郎と次郎が折り返したあと出会ったのは,はじめて出会った地点から600mだけA市に近い地点でした.
(1)太郎と次郎が折り返したあと出会ったのは,はじめて出会ってから何分後ですか.
A,30分後
15×2=30(分)
(2)太郎と次郎の速さの差は,毎分何mですか.
A,毎分20m
太郎が30分かけて移動した距離=次郎が30分かけて移動した距離+600m
これより、30分で600mの差が生まれたことが分かる。
600÷30=20(m)
(3)三郎の速さが毎分45mです.A市とB市は何m離れていますか.
A,2250m
(2)より、以下のように設定する
太郎:①+20(m) 次郎:①
次郎がA市に着いたときと、太郎と三郎がはじめて出会ったときが同時なので、
①:①+20+45=1:2 となる。
①=65 と分かるので、65×30+300=2250(m)
※A市からB市は (①+①+20)×15 でもとまります。
(1)→(2)→(3)と連動しており、前の小問を使って次の小問を解く構成となっています。
さらに、それぞれの小問にも必ずハードルが仕込まれており、閃きというよりも、『きっちりと努力してきた子かどうか』を見極めることができる問題となっています。
ゴリ押しだけでは(3)を解き切れないようにもなっています。
(方程式みたいに解いても答えは出せるかもしれませんが、算数ではなく数学の学習に時間を割いてしまった受験生では合格点には届かないでしょう。)
そして、お気づきでしょうか?
問題文には「、」や「。」ではなく、「,」や「.」が使われているのです。論文を書く際の決め事のようなもので、それが自然に出るぐらい極めてアカデミックな方が問題作成をされており、入学者の数学を担当されるということです。
視点を変えれば、問題から学校の指導レベルが透けて見えるものです。
入学後の数学授業も楽しみになりますね!
イデアスポット京都校
代表 竹山隼矢
2018年度関西中学入試分析①
日付変わって、本日が2018年度関西中学入試の解禁日(初日)です。
今回は出願者数が確定している1/13(土)注目校のみ、都道府県別にピックアップします。
※出願者数前年比率もご参考下さい。
【大阪】
大阪星光学院 763名 111.7%
四天王寺 634名 122.2%
大阪桐蔭PM 342名 289.8%
高槻 573名 116.0%
同志社香里 468名 115.0%
【兵庫県】
甲陽学院 423名 110.7%
灘 735名 107.6%
六甲学院 255名 76.3%
神戸女学院 249名 95.8%
関西学院 304名 104.1%
【京都府】
東山PM 388名 106.9%
洛星 480名 95.8%
同志社 494名 104.9%
立命館 193名 85.8%
【奈良県】
東大寺学園 985名 101.9%
帝塚山 273名 87.8%
奈良学園 206名 99.0%
西大和PM 90名 80.4%
【和歌山県】
智辯学園和歌山 151名 76.3%
全ての数値データが出揃ってから、細かく分析していきます。
まずは初回ということで、『初日の受験者数』をまとめました。
受験は因果応報です。
努力をしていない者が合格するなどあり得ない。(入試問題の作成レベルが低い場合は別)
当日のドラマチックな逆転などありませんから、適切な努力を積み重ねてきた受験生諸君は安心して試験に臨んで下さい。
イデアスポット京都校 代表
竹山隼矢
2017年度関西中学入試概況【復習】
【2017年度関西中学入試概況】
1.京都の特殊性が際立つ結果
年々率が上昇しているとはいえ、近畿全体の中学受験率が9.3%にとどまり10%に届かない中で、京都は11%を超える高い受験率。京都で育つ子ども達の学ぶ環境は、他府県とは異質であることをまず認識しましょう。中学受験だけでなく、小学校受験も盛んであることはご存知の通りです。そして高校入試においても良き受け皿がしっかりと準備され、大学も数多ある。子ども達の将来を描くための選択肢が豊富にあるからこそ、我々大人は多くの情報を持つ必要があるのです。
2017年度関西中学入試を一言で表すと『附属校人気の継続』です。特に関関同立の附属校の人気が継続して高くなっています。難化した学校、易化した学校を中心に“理由”をまとめていきます。
※難化・易化は2016年度データとの競争倍率にて判断
2.県別分析
《大阪府》
【易化】
【難化】
樟蔭・大阪桐蔭・開明・四條畷学園・清風南海・高槻・帝塚山学院泉ヶ丘・履正社学園豊中・大阪産業大学附属・関西大学・関西大学第一・関西大学北陽・近畿大学附属・同志社香里
良くも悪くも大きなニュースやブームに影響を受ける大阪府。今年は高槻中学校を中心に動いた印象を受けます。人気男子進学校であった高槻が今年から共学化し、女子だけではなく男子の人気も高まりました。それに伴い、大阪星光・清風・明星・四天王寺という難関男子校・女子校は倍率を下げました。加えて、附属校ではない共学校にも影響が出ていることは注目すべき点です。
開明の躍進は中学3年間の給食も理由の一つでしょう。毎日お弁当に頭を悩ませなくてよいというところが、お母様方の人気を獲得しました。昨年から継続して人気が高まっており、最難関校の併願校としての位置を確立しました。
履正社学園豊中には、灘・洛南・東大寺・星光などの難関高校を目指す3ヶ年独立コースがあります。「高校入試でリベンジ!」と考える生徒が入学し、別カリキュラムで学習を進めていきます。後期の競争率上昇には理由があるということです。
《兵庫県》
【易化】
【難化】
灘・甲陽学院・神戸女学院などの伝統難関校に関しては、年度による変動が少ないことが兵庫県の特徴。六甲学院のB日程が難化しているのは、1/17という日程設定から他県の優秀生が受験に挑んだということが理由であると考えられます。
須磨学園・雲雀丘学園については、単純に受験生が増加しました。大阪の高槻中学校の影響はこのようなところにも出ています。また、雲雀丘学園はネット出願を始めたことで、遠方からの出願が増えました。
《京都府》
【易化】
同志社女子
【難化】
附属校の人気が継続して上昇。その中で同志社女子のみが競争率を下げていますが、昨年の人気が高すぎたためです。倍率は1.3倍周辺に落ち着く傾向がありますので、今年も決して簡単ではありませんでした。
洛星は競争率が高まり難化の群に入っていますが、隔年現象によるものです。一昨年の倍率に戻ったという認識が正しいです。順番的には来年は易化するでしょうが、洛南とともに京都最難関中学校ですので、合格ラインの変化はないでしょう。
京都学園は今年からGN探求とGN一貫コースがスタートし、生徒募集の目玉となりました。志願者は定員を超えましたが、合格の基準を高く設定。結果、倍率が大きく動いたということです。高校入試での人気の高まりが、中学入試にも影響してきました。
京都橘の人気の高まりは、昨年の合格実績の飛躍的な向上が理由です。部活も充実、内部の補習体制もしっかりとしています。立地的に京都市内から離れているので、他県からの志願者も増加。
《奈良県》
【難化】
東大寺学園は例年とほぼ同様の競争率(3年連続で2.4倍周辺)ですが、志願者数が大幅に増加しています。最難関校の合格の出し方として、人数よりもレベルを重視します。合格者数が前年よりも多いのは、東大寺が求めるレベルに達していた受験生が多かったことを示しているとお考えください。
奈良県で注目すべきは帝塚山(男子)・奈良学園(C日程)です。
帝塚山は初日の志願者数増加により、男子の競争率が大きく上がりました。理科部ロボット班の全国的な活躍により、まさに理系男子・女子が志望する学校。コースもレベル別に分けられており、東大理Ⅲ合格者を輩出したことで指導レベルの高さも伺えます。
奈良学園のC日程に関しては、受験者は増加したにも関わらず合格者は減少しています。早い日程での手続き率が高かったことを表しており、第一志望校として考えている受験生が増えていることが分かります。
《和歌山県》
【易化】
開智
【難化】
開智の競争率が市販されている書籍の数値と異なるのは、スライド合格を含んでいるからです。スーパー理系特進は合格者も厳選されるので、高い倍率となります。
智辯学園和歌山の後期日程受験者が大幅増加です。和歌山県での進学実績が群を抜いて高いことから、地元の人気と共に他県最難関校の併願校として選択肢に挙がる学校です。後期日程受験者の増加から、他県の成績優秀生が受験に挑んだことが分かります。
《滋賀県》
【易化】
【難化】
立命館守山の易化は学校スキャンダルによるものと結論付けられることが多いでしょうが、実はそうではありません。志願者数はそこまで大きく変化はしておらず、1/14午前の志願者から多めに合格者を出したことが分かります。前年スキャンダルがあった学校は、「初日に受験してくる受験者」を多く確保する傾向があります。合格最低点を下げてでも確実に手続きをしてくれる生徒に合格を出したということです。
比叡山の難化は、定員数の変更(120→80)によるものです。現段階ではお伝えすることができませんが、前向きな定員減らしであるとご認識下さい。定員が減少したので、当然競争率は上がりますので、難化の群に入ったということです。
皆様、一年前のことを思い出せたでしょうか?
状況は一年一年変化しますが、前年とデータを比較することを怠るべきではありません。
少なくとも4年間分のデータを横に並べて比較することで、次年度の難易度を高確率で的中させることができます。
さて、2018年度関西中学入試はどうなるでしょうか?
イデアスポットでは、今年も詳細データの分析会(保護者勉強会)を実施致します。
イデアスポット京都校
代表:竹山隼矢